慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは・・・
年齢とともに、「階段の上がり下りで息切れがする」「咳や痰が続く」「少し動いただけで動悸がする」こんな症状が気になる方が多いと思いますが、様々な要因で肺機能が低下し、呼吸が困難になるCOPD(ChronicObstructivePulmonaryDisease慢性閉塞性肺疾患)の患者さんが増えています。
COPDはここ20年の間に患者数や死亡率が増加しています。COPDは息切れ、咳や痰などの症状が徐々に進行し、やがて日常生活に支障をきたすほどの呼吸困難や、肺がんにもかかりやすくなります。
わが国の急速な人口の高齢化と、高い喫煙率から、COPDの患者数と高齢者を主体とした死亡数は、ますます増加していくと考えられます。これまで肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれてきた疾患は、COPDの中に含まれます。COPDの発症に深くかかわり、そのリスクを増大させている最大の要因は喫煙です。
喫煙は肺気腫の原因にもなっており、今後女性の喫煙率の増加に伴い、男女差は小さくなってくるものと予想されます。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)症状例
その他にも気になる症状があればご相談ください
- 呼吸がスムーズにできなくなる
- 少し動いただけでも息苦しくなる
- 気道の壁が炎症をおこして、痰の量が増える
またその痰を出そうと咳が多くなり、感染しやすくなり、ちょっとした風邪でも治りにくくなります - 空気を多くはき出そうとして、無意識に余分な力を使うので疲れやすくなる

早期発見が重要
早期発見でしっかり対処すれば急速に進行しません
COPDは軽いうちはあまり症状を感じることが少ないのですが、放っておくとだんだん生活が不自由になり、生命に危険をおよぼす恐い病気です。
特にタバコを吸っている方で40歳をこえる頃から、この病気が現れやすくなると言われています。
喘息のような発作性の息苦しさはありませんが、少し動いただけで息苦しさがずっと続きます。
しかし早く見つけてしっかりと対処すれば、急速に進行してゆくことはありません。
レントゲン検査、肺機能検査で診断し、禁煙指導、吸入、内服治療をします。
肺機能検査で肺年齢の測定をしましょう。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠中に無呼吸を繰り返す病態の総称です。
日本人の4%、約240万人がSAS(Sleep Apnea Syndrome 睡眠時無呼吸 症候群)に罹患しているといわれており、高血圧や糖尿病、肥満などの生活習慣病にかかっている患者さんでは、さらに高率にSASを合併していることがわかっています。
また薬の効かない高血圧の患者さんの80%にSASが合併しているとの報告もあります。
このように実はSASは身近に潜む病気なのです。

SAS(睡眠時無呼吸症候群) 症状例
SASは睡眠を妨げることにより、以下のような症状を引き起こす場合があります
- 日中の眠気
- 大きないびき
- 起床時の頭痛
- 熟睡感が無い
SAS(睡眠時無呼吸症候群)治療法
治療方法の「経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)」は保険適用となっています。
CPAP療法は睡眠時に常に気道に陽圧をかけることで、睡眠中の気道の閉塞を防止します。治療にはCPAP装置と専用のマスクを使用します。

SASは全身疾患です
SASがきっかけで生活習慣病を引き起こします
SASは呼吸が止まったり、いびきをかくことから局所の病気と思われがちです。
しかしSASは睡眠不足や低酸素により眠気だけでなく生活習慣病を引き起こすといわれています。
このことから生活習慣病の発症と悪化につながると考えられています。
早期にCPAP療法などの適切なSAS治療を行うことで、生活習慣病をコントロールすることが可能です。